もくじ
そもそも水害とは？
水害とは、豪雨や洪水、台風などで引き起こされる水による災害のことを指し、外水氾濫と内水氾濫の2つに分けられます。
外水氾濫とは、河川の水量が増加し、堤防を越える「越水」や堤防が決壊する「破堤」によって周辺地域が浸水する現象です。主に豪雨や台風の際に大量の雨水が河川に流れ込むことで発生します。
内水氾濫は、大雨が排水能力を超える量で降り、排水路や下水道が機能しなくなることで起こる浸水現象です。
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浸水するとどうなる？
水害で浸水が発生すると、生活に多大な影響を及ぼします。建物内部に水が侵入すると、家財道具や電化製品が使用不能になるほか、壁や床材が腐敗したりカビが発生したりし、健康被害も懸念されます。
また、浸水により電気・ガス・水道などのライフラインが寸断され、日常生活が大きく制限されてしまいます。
安心して暮らすために、家を建てるなら水害に強い家にするのはとても大切なことだということがわかりますね。
水害に強い家を建てるために避けた方がよい水害が起こりやすい場所とは？
水害に強い家を建てるためには、土地選びが非常に重要です。ハザードマップを確認し、洪水や浸水のリスクが低い地域を選ぶことが基本です。
特に下記のような場所は水害が起こりやすいと言われています。
①河川や海、湖沼の近く
このような水に近い場所は多くの場合、大雨の際に河川の氾濫や高潮などの影響を受けやすいため注意が必要です。地盤が弱い可能性もあるので、土地を購入する際には状態をしっかり確認する方がよいでしょう。
とはいえ、海や川に近い土地が必ずしも水害リスクが高いというわけではありません。堤防の状態や敷地の高さなど、さまざまな条件の組み合わせによって安全が保たれているケースもあります。
ハザードマップなどで確認してみましょう。
②埋立地
人工的に埋め立てられた土地は地盤が緩いため、一般的に水害に対して弱くなります。特に田んぼだった場所を埋め立てた土地は、周囲よりやや低い場所に作られている傾向があるので注意しましょう。
しかし、一概に埋立地が必ず地盤が緩いとは限りませんので、土地の購入を検討しているのであれば、地盤調査することをおすすめします。
③低地や平野部
敷地の高さが周囲よりも低い場合、水害が起きた時敷地内に水が流れ込みやすくなります。あらかじめ地図情報で海抜や標高などを確認しておきましょう。
一方で、高台や丘陵地、地盤がしっかりしている場所は水害リスクが低いと考えられますが、中腹に建てられた家屋は切り土や盛り土をおこなっていることが多いです。
大雨によって盛り土が流され、土砂災害が起きてしまう危険があることを知っておきましょう。
なお、水害に強い土地を選ぶためには、過去の水害履歴を調べることも役立ちます。その地域がこれまでにどの程度の被害を受けたかを知ることで、リスクを具体的に把握できます。インターネット等を利用して、その土地の過去の状態を確かめてみるのもおすすめです。
その他、地盤の高さを調べることも重要です。なぜなら基礎を高く設計しても土地自体が低ければ効果は限定的となってしまうからです。
雨の日や大雨後に現地を訪れ、水の流れ方や排水の状態を実際に目で見て確認したり、地域住民や不動産業者に問い合わせて、情報を収集するのも有効的です。
以上のようなことを考慮することで、水害リスクを大幅に減らした安全な土地選びが可能になります。
水害に強い家を建築するために！行うべき対策
まずは、建物の設計や構造に工夫を凝らすことが重要です。
下記のような対策を行うのがおすすめです。
①ピロティ構造
1階部分をピロティ構造にし、居住空間を2階以上に配置することで浸水リスクを軽減できます。基礎を高く設計する「高基礎」も効果的です。
②外壁や窓枠に防水処理をする
防水性の高い建材や塗料を使用し、外壁や窓枠に防水処理を施すことが推奨されます。
③電気設備は高い位置に設ける
浸水時に被害を抑えるため、配線を浸水しにくい経路にする配慮も必要です。特に分電盤は、水に浸かってしまうと電気を一切使用できなくなってしまうので、インフラという意味では生命線です。
いざという時のために、あらかじめ高い位置に設置するのが得策です。
④屋外は透水性舗装や排水溝の整備を
敷地内の水はけを良くする工夫が求められます。これらの対策を組み合わせることで、水害に強い住まいを実現することが可能です。
今すぐにできる「水害対策」について
今すぐにできる水害対策としては、下記のようなものが有効です。
これらの対策は比較的短時間で取り組めるものばかりですので、是非実行してみてください。
①ハザードマップの確認
まずは、自宅周辺のリスクを把握することが重要です。ハザードマップを確認し、自宅が浸水想定区域にあるかを事前に調べおきましょう。
②排水溝や側溝の掃除
下水道の側溝や雨水枡は、定期的に掃除しておかないと詰まってしまいます。詰まった状態で水が流れ込むと、浸水につながるので危険です。
雨水がスムーズに流れるよう定期的に手入れしましょう。
③防災用品を準備
懐中電灯、非常食、飲料水、携帯充電器などの防災用品を準備しておくのはとても大切です。近隣住民と避難場所や避難経路を共有しておくことで、迅速な避難が可能になります。
なお、玄関などの開口部からの浸水を防ぐ方法としては、土のうで侵入口を塞いでしまう対策が一般的です。土のうはホームセンターなどで売っているため、水害に備えて用意しておくことをおすすめします。
水害が発生したらするべきこと
水害が発生した際、家でまずすべきことは、安全を確保し被害を最小限に抑える行動です。
水が自宅周辺に迫ったら、電気やガスを早めに遮断し、感電や火災のリスクを防ぎます。
家電製品や貴重品はできるだけ高い場所に移動し、浸水被害を軽減しましょう。
また、浸水を防ぐためにドアや窓の隙間に防水シートやタオルを詰める応急処置を行います。水が家の中に入った場合は無理に移動せず、上階や屋根へ避難する準備をします。
避難が必要な場合、事前に確認していた避難場所に速やかに向かいますが、深い水の中を歩くのは避けましょう。
水害発生中は常に最新の情報をラジオやスマートフォンで確認し、行政や気象庁の指示に従います。
水害後は汚水や感染症のリスクが高まるため、清掃や消毒を徹底し、必要であれば専門業者に依頼しましょう。迅速で冷静な対応が被害の拡大を防ぎます。
まとめ
日本では水害が頻繁に発生します。いつどのようなタイミングで自分の住居に大量の水が押し寄せてくるかわからないのです。したがってこれを無視した家に住むのは非常にリスクが高く、できる限り避けるべきです。
水害に強い住宅作りのために、是非この記事を参考にしてみてください。
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